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三石裕美さんについて

三石裕美個展 ギャラリー代々木
三石裕美個展
ギャラリー代々木
今回は、ここ数年続けて当ギャラリーで個展を開いている三石裕美さんについてお話します。まだキャリアは浅い若手の作家さんですが、美大を卒業してから意欲的に作品を発表しています。興味深いのは、まずテーマを決めてオリジナルの物語を文章で作り、それに合わせて印象に残るワンシーンを抜粋して制作していることです。その物語はかなり幅広く、西洋のものから中国テイストのものまでと、視野の広さを感じさせます。また書物をよく読み、自分の足で現地に赴いて取材をよくしています。それによって培われたリアルな表現が、一つ一つの作品に色濃く反映されています。ものを見る目を若い時から養う事は、本当に大切です。ますます精進してほしいものです。
出会いは今から6年程前。私のビジネスパートナーである竹山さんが主宰する報美社企画のグループ展に、三石さんが参加していたことから始まります。当時は透きとおるカラーインクで丁寧に仕上げていたのが印象的でした。また、学生時代の版画の作品を拝見したところ、きちんとした基礎があることもよくわかりました。将来は作家として生きていこうという覚悟を、既にこの頃から感じ取ることができるのです。三石さんと知り合えたのはとても幸運だった、と今でも思っています。
もう一つ感心することがあるのです。それは彼女が幼少の頃、絵を描く環境は決して良くなかったということです。体があまり丈夫でないこともあって、ご家族は作家活動に賛成していないとも聞いています。どんなこともそうですが、逆境の時に頑張りが利くかどうかで、その人の運勢が決まると私は思います。三石さんが現在の絵を描けるようになって初めて誰とでも対等に、自信を持って話ができるようになったのがよくわかります。
作品が出来上がる度、本当に楽しそうに報告をしてくれます。その気持ちをいつまでも忘れないで、続けて欲しいと願ってやみません。クリエイターによく見られる傾向ですが彼女も手仕事が大好きで、自分が着るものを縫ったり、各国の料理づくりに挑戦したりして、人生をフルに楽しんでいます。ギャラリーに寄るときに手土産でくれるデザートには、いつも舌鼓をうっています。 今年は10月に自選展という形で、これまでの作品の中から代表的な作品を展示する予定です。また、来年の4月に展示する新作では、今まで手掛けなかった分野に挑戦するとのこと。どのような形でもギャラリー代々木は支援するつもりです。大いに自分の才能を発揮して、質の高い作品が出来上がることを期待しています。
(ギャラリー代々木通信08より)


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